抗凝固療法について
小松市民病院内科 東方利徳先生
脳卒中の4分の3が脳梗塞でその約3分の1が心原性です。心腔内に血栓ができる原因で最も多いのが心房細動(af)です。
心電図では不整脈とf波の確認をしますがf波は胸部第1誘導で見つけやすい。発作性は7日以内でそれを越えると持続性afと分類します。
afは拍出量低下、心不全をきたします。左房内の血液停滞で血栓をつくります。エコーでの心耳内血栓、左房のもやもやエコーが診断に役立ちます。
CHADS2スコアー2点で抗凝固療法を開始します。
現在は腎機能等に問題がなければワーファリンよりNOACを使います。脳塞栓症で出血、脳ヘルニアがない場合は数日内に使用開始します。出血リスクの高い人は高齢、腎機能低下、消化管出血の既往などです。有効性でワーファリンをうわまわるのはプラザキサが確定しています。安全性でアピキサバン(エリキュース)、利便性ではリバロキサバン(イグザレルト)エドキサバン(リクシアナ)がよいでしょう。
afの治療でアブレイションは若年者で自覚症状の強い人が対象になり心房が拡張を呈する前に行うと成功率が高くなります。
NOACと抗血小板薬で3剤出す場合は3剤の使用期間を短くするためステント留置等際、複数の血管を同時にするなど工夫します。