2016年11月27日
南加賀漢方研究会
「プライマリ・ケアと漢方」金沢医科大学総合内科学山川淳一准教授 プライマリ・ケアとは 米国国立科学アカデミー(1996年)によると、患者の広汎な問題に対処でき、かつ受診し易い医療体制、医療のことである。漢方はその特徴からプライマリ・ケアにおいて有用な医療体系といえる。近年の高齢化は一人の患者が複数の疾患を持ち、多数の薬剤を服用する状況を招いている。漢方では異病同治といって、一つの方剤で複数の病気に対応できることがある。実際に漢方の一剤を追加することで28剤を5剤に減らすことができた症例がある。不定愁訴は日常最も頻繁に出会う症状で、漢方による対応はよく行われます。特に全体的な不調を改 善できるのは漢方の特徴といえます。漢方は症状に対しての対応力は大きいのですが、病因に対しては西洋医学が勝っているといえます。漢方医学的に矛盾がないと思われることに対しても、西洋医学によるチェックは必要といえます。