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2020年11月17日

脳神経外科学会 岡山(2)脳外、脳内科トピックス




てんかん 抗発作薬より抗てんかん原性薬へ
京都大学 池田照夫先生 抗てんかん薬の使い方は最近の新しい薬剤が増えたことにより使い方が変化しています。これまでは単剤で最大量まで使う事が推奨されましたが現在は合理的な多剤治療に変わってきました。本邦での新規薬はガバペンチン、トピラマート、ラモトリギン、レベチラセタム、ペランパネル、ラコサミド、ゾニサミド、クロバザムがあります。シナプス前、後膜に作用するものは前膜ではレベチラセタム後膜ではベランパネルがあります。Naチャンネルブロッカーはシナプスではなくその前後の軸索伝導への抑制により抗発作薬として使われます。後膜における突発性脱分極変位(Paroxysmal Depolarization Shifts)がてんかん発作引き金になりますが新規薬の多くはこの事を抑制し更にてんかん原性を改善する抗てんかん原性薬としても期待されます。ミオクロヌスに対してベランパネル(0.5mg/kg〜1.5mg/kg)で効果が期待されます。高齢者ではレベチラセタム少量で効果が出ます。また抗てんかん薬(バルプロ酸、ガバペンチン、トピラマート、レベチラセタム)で片頭痛に効くものがあります。

投稿者:KUSUat 17:05 | お知らせ

2020年11月15日

脳神経外科学会 岡山 ランチョンセミナー




MCI(軽度認知障害)の進行予防に対するサプリメントの状況 森山神経センター病院 堀 智勝先生
現在65歳以上の1/7に認知障害があると言われ2025年には1/5になると考えられています。また最終的に男性45%女性65%平均50%が認知症になるとされます。治療には日本ではコリンエステラーゼ阻害薬3種類とメマンチンが使われています。しかし使用により転倒が増加し認知症状も余計に進行している可能性があります。画像検査でも萎縮が進行するとの報告が有ります。フランスでは上記4剤は認められていません。フェルガード(商品名)はフェルラ酸とガーデンアンセリカを合わせたものです。前者は米ぬかより抽出されたポリフェノールで抗酸化作用、抗炎症作用があります。後者はコリンエステラーゼを抑制しアセチルコリンの放出をふやします。我々はフェルガードを使用し24週48週で評価し認知症状の改善、抑制の効果を確認しました。他にもサプリメントによる効果の報告がありますが3ヶ月4ヶ月の短い期間の報告です。鶏肉からのアンセリン/カルノシン、クルクミン、腸内細菌の1種などで効果の報告があります。また人参養栄湯がアルツハイマー病に効果があるという発表もあります。てんかん、アルツハイマー病は神経細胞の障害と考えられていますが実はそれを支える神経膠細胞の障害の可能性もあります。それらに対してMガード(商品名)がありますが、このサプリメントも期待できると考えております。

投稿者:KUSUat 21:45 | 日記

2020年11月5日

教育講演 睡眠時無呼吸症候群




SAS(睡眠時無呼吸症候群)地域連携の取り組み  東邦大学呼吸器内科 高井雄二郎准教授 SASは中枢性と閉塞性がありますが殆どは閉塞性(OSAS)です。薬剤耐性高血圧の80%、心房細動の50%、心不全の70%にOSASがあるといわれます。PSG(睡眠時多系統記録、ポリソムノグラフィー)でAHI(1時間あたりの10秒以上の無呼吸回数)20以上でCPAP(持続陽圧呼吸)を導入できます。簡易PSGでは40以上で導入ができます。しかし簡易PSGで15以上のものでも半数はCPAP導入が必要です。また15以下でもSpO2が90%を切るものや糖尿病、心房細動、心不全、脳卒中のあるものではCPAPを要することはあります。CPAPを開始しても1/3の人は止めてしまいます。開始1年内で止める方が殆どですので、その間をなんとかサポートして続けることが大切です。簡易PSGは精密PSGと比べると正常、重症では精密PSGとよく符合しますが、軽症、中等症では合わないことがあります。SASは病識が無い方がかなりあり患者教育が重要です。肥満、加齢、女性ホルモン、骨格などが誘因、原因となるので診療上注意を払う必要があります。近年のCPAPの機器ではIoTを使い情報を収集管理できるようになり診療のレベルを上げることができるようになりました。

投稿者:KUSUat 22:12 | 日記

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