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2021年1月30日

パーキンソン病を考える会 金沢




進行期パーキンソン病の治療 仙台西多賀病院 竹田篤院長 COMT阻害薬は経口投与されるパーキンソン病の最も基本となる薬剤レボドパを分解するCOMT(カテコールO−メチル基転移酵素)の働きを阻害し、レボドパの濃度低下を遅らせる薬剤です。この働きでレボドパを有効に使うことができるのです。これまでエンタカポンが使用されてきました。それに次いでオピカポン(商品名オンジェンテイス)が使用できることになりました。エンタカポンに比べて半減期が4〜5倍になり1日1回投与が可能となりました。またレボドパ投与回数が多い程効果が良いようです。切れ味が良く立ち上がりが早いため効き過ぎに注意が必要なこともあります。基本レボドパが効果する患者さんにはよく効き、かつ安全性が高い薬剤といえます。オピカポンをベースにレボドパの回数、量、タイミングを調整し望ましいコントロール持っていく方法もあるかと思います。 パーキンソン病に痛みを伴う患者さんに遭遇することがあります。これに対してはMAO-B阻害薬のサフィナミド(商品名エクフィナ)や抗うつ薬ではSNRIのベンラファキシン(商品名イフェクサー)を使ってみます。 

投稿者:KUSUat 20:32 | 日記

2021年1月12日

脳幹部血管障害と睡眠時無呼吸症候群




脳幹部は中枢神経系で生命の維持に最も重要な部位です。また、そこは多くのシステムが錯綜し、そこでの病変は多彩な症状を呈します。そのため症状の組み合わせで狭い脳幹での病変部位を特定することができます。近年はMRIの進化のおかげで煩雑な脳幹の症候群は代表的なものだけ覚えておけば臨床で困ることは無くなりました。脳幹部の血管障害は多いものではありません。特徴があって男性が多く、年代も30代40、50、60代と通常の脳血管障害と比べて若い方が中心です。また血圧が異常に高い方ばかりではなく単純に動脈硬化とだけ関連付けて考えるには無理があります。脳幹部で起きる血管障害(血栓、出血)はわずかな大きさでも大きな障害をきたし重篤な後遺症を残したり致死的であったりします。機能が密集している部位なので微小な病変であっても症状を出すため顕出され医療に乗ってくるという特徴もあります。最近脳幹部血管障害の患者さん4人に簡易終夜睡眠時ポリグラフィーを行ったところ全員が重度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)であることが分かり驚きました。これは本格的に対応する課題となる可能性があります。

投稿者:KUSUat 22:44 | 日記

2021年1月4日

年の初めに




年の初めに 今年は認知症について深く考えて行こうと思います。認知症という病名は本当の病名ではなく症状をとらえて仮につけられた「病名」なのです。人は様々な病気によって認知症状(痴呆)を呈します。また病名が確定したとしても程度や内容が一人一人違います。現在、認知症はアルツハイマー病、レビー小体型認知症、脳血管障害型認知症、前頭側頭型認知症がよく知られ、典型的な症状やコース(経過)も知られています。診断には症状、経過、各種検査を行い総合的に判断します。その時、全ての所見がピタリとあてはまることは多いわけではありません。診断を確定し経過を追っていってもモデル的な予想のコースを皆がたどるわけではありません。診断は時々再評価していく必要があります。病気が重なることもあります。てんかん発作は認知症状の原因であれ結果であれ常に意識しておく必要があります。内科的病気も影響します。睡眠時無呼吸症候群は脳血管障害を引き起こす大きなリスクの一つですが認知症状も悪化させます。アルコールも認知機能の増悪に寄与しています。診療を続けていくといろいろなことが出来してきます。個別的に考えを深めていくことでしかそれに対抗することができないと思います。

投稿者:KUSUat 00:13 | 日記

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