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2021年01月12日

脳幹部血管障害と睡眠時無呼吸症候群




脳幹部は中枢神経系で生命の維持に最も重要な部位です。また、そこは多くのシステムが錯綜し、そこでの病変は多彩な症状を呈します。そのため症状の組み合わせで狭い脳幹での病変部位を特定することができます。近年はMRIの進化のおかげで煩雑な脳幹の症候群は代表的なものだけ覚えておけば臨床で困ることは無くなりました。脳幹部の血管障害は多いものではありません。特徴があって男性が多く、年代も30代40、50、60代と通常の脳血管障害と比べて若い方が中心です。また血圧が異常に高い方ばかりではなく単純に動脈硬化とだけ関連付けて考えるには無理があります。脳幹部で起きる血管障害(血栓、出血)はわずかな大きさでも大きな障害をきたし重篤な後遺症を残したり致死的であったりします。機能が密集している部位なので微小な病変であっても症状を出すため顕出され医療に乗ってくるという特徴もあります。最近脳幹部血管障害の患者さん4人に簡易終夜睡眠時ポリグラフィーを行ったところ全員が重度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)であることが分かり驚きました。これは本格的に対応する課題となる可能性があります。

投稿者:KUSUat 22:44| 日記