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2015年4月28日

脳外科学会地方会  金沢




☆脳内血腫を伴うくも膜下出血は動脈瘤の処置と血腫除去を同時に行う必要のため開頭血腫除去+クリッピング術が多かった。これを血管内治療+神経内視鏡手術により治療し良好な結果を得た報告。
☆中大脳動脈の皿豆状動脈瘤で、通常のネッククリッピングが不可能な症例にたいしてシートで包んだ上からクリッピングするWrap-clippingを行い良好な成績を得た報告。
☆脳出血重症化因子の解析。血腫増大因子は女性、ワーファリン、高血糖であった。転帰不良因子は高齢、抗血栓薬、拡張期高血圧であった。
ワーファリンはNOACへの変更を考慮すべきである。抗血栓薬の適切な使用も重要である。
☆出産時に脳出血を併発した可逆性脳血管攣縮症候群。妊娠高血圧はなく頭痛で発症。MRIで脳出血、MRAで頭蓋内動脈の多数の狭窄を認め、経過とともに回復した報告。出産時の激しい頭痛はMRI,MRAで調べる必要がある。
☆海綿静脈洞の血管腫の治療は手術困難でガンマーナイフによる放射線治療が成績がよい。

投稿者:KUSUat 15:56 | 日記

2015年4月16日

脳卒中学会 広島 (2)




高血圧性脳内出血の発症予防 近畿大学医学部附属病院脳卒中センター 大槻俊輔先生
脳出血は血圧上昇と関連が深い。
腎臓と脳の血管構造は似ている。腎で言われるstrain vesselは脳では穿通枝に相当する。strain vesselは太い血管から細い血管が分枝し血圧を急激に減らす構造である。筋層が無く血圧の影響を直接受け自動調節能がないことが特徴である。腎機能の低下で脳血管の状況を推測することができる。
穿通枝に微小動脈瘤が形成され破綻すると脳出血に至る。
糖尿病では脳出血は起きにくい。出血に関して言えば厳格な糖尿病コントロールは低血糖を考慮するなど大変であるが努力に対する利益がないこととなる。厳格な血圧コントロールは出血率を低下させる。薬剤にはカルシウム拮抗薬、ARB,ACE阻害薬、利尿薬が使われる。βブロッカーは不適である。
食事は野菜、フルーツ、魚介類がよい。
低コレステロール血症では出血率が上がる。脂肪を減らしタンパクを多く摂ることはよい。スタチンは総死亡を下げるが脳出血は少し増える。大量飲酒は脳出血を増やす。タバコは出血梗塞ともに増やす。コーヒー緑茶は低下作用がある。
BMIは20~25で低くなる。運動はよい効果がある。放射線被曝は出血率を上げる。
降圧剤は圧に比例して効果があり、安定した降圧が望ましい。降圧剤の併用療法は降圧効果を高め脳出血の予防に寄与する。

投稿者:KUSUat 23:32 | 日記

2015年4月14日

脳卒中学会  広島 (1)




シンポジウム 潜在性脳卒中
潜在性脳卒中(Cryptogenic Stroke)は原因不明の脳卒中のことで全脳梗塞の2割前後を占めるといわれる。全脳卒中の2〜3割に心房細動(af)がみつかっているが発作性afの場合は発見されないこともある。ホルター心電図が必要になる。
卵円孔開存(POF)があれば下肢静脈にできた血栓が脳に達することは考えられる。しかしPOFは15%~30%に存在するため、この存在だけで奇異性脳塞栓症とは診断できない。下肢静脈エコーが必要である。
af以外の心疾患では左室部分無活動、洞不全症候群、心臓腫瘍、感染性心内膜炎等がある。大動脈粥腫も栓源となるが、経食道エコーは以上の変化を見つけるには最適であるが、患者にとってつらい検査である。
癌に伴う脳梗塞もありD-dimer,BNPなども診断に有用である。
発症機序が確定できない場合、先ずヘパリンを使用し、その後検査を進め動脈原性の可能性が高ければ抗血小板薬に切り替え、心原性が考えられればワーファリンに変更する。「抗凝固薬は抗血小板薬の代替薬になるが逆はない」という原則がある。

投稿者:KUSUat 23:51 | 日記

2015年4月1日

生涯教育講演 認知症の診断




認知症の病型診断 鳥取大学医学部保健学科教授 浦上克哉先生 
現在65歳以上の15%が認知症であり、ありふれた疾患となっている。
最も多いのがアルツハイマー型認知症(A)、ついで血管性認知症(V)、レビー小体型認知症(L)、前頭側頭型認知症(FT)と続く。
Aは時期不明確で物忘れで発症してゆっくり悪くなる。運動障害はなく、脳血流は側頭葉、頭頂葉で低下する。
Vは意欲低下、感情失禁が特徴で運動障害を伴い幅広歩行となる。前頭葉血流の低下が有る。CTで小梗塞や脳室周囲低吸収を認める。
Lは幻覚妄想、パーキンソン症状、症状の日内変動が特徴で後頭葉の血流低下、萎縮をみる。
FTは時刻表的生活、立ち去り行動、決まったイスに座ったり、同じコースを歩いたりする。道に迷うことは少ない。前頭、側頭の血流低下をみる。若年性認知症として出ることがある。

投稿者:KUSUat 23:47 | 日記

振るえの話 (1)




体の振るえは医学用語では振戦と表現される。
振戦はめずらしいものではない。我々は緊張したり、恐怖に襲われたり、体温が下がったりすると自然と体が振るえることを経験で知っている。
これらは何か必要があって生じているのではないかと考えると、たとえば、寒くて振るえるのは細かな筋肉運動で熱を産生して、体温の低下を防いでいるのかもしれない。恐怖や緊張で振るえるのは筋肉をたとえば自動車でいえばエンジンをアイドリングしているような状態に保って、急激な活動に備えているのかもしれない。以上の振戦は条件が変われば消失し、特別な不都合を生じたり残したりはしないので生理的振戦といわれる。
振戦は一定のリズムをもって反復する運動である。
医学的に問題となる振戦は病的振戦といわれ、その現れ方の特徴より静止時振戦、姿勢性振戦、動作時振戦に分けられる。
静止時振戦は筋肉が収縮していない時にその筋肉に起きる振戦でパーキンソン病やパーキンソン症候群でみられる。姿勢性振戦は動かないけれど筋肉が緊張している状態(姿勢保持)で起きる振戦である。本態性振戦などが姿勢性振戦に含まれる。動作時振戦は運動中に見られる振戦で企図振戦ともいわれる。

投稿者:KUSUat 00:09 | 日記

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