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2015年04月16日

脳卒中学会 広島 (2)




高血圧性脳内出血の発症予防 近畿大学医学部附属病院脳卒中センター 大槻俊輔先生
脳出血は血圧上昇と関連が深い。
腎臓と脳の血管構造は似ている。腎で言われるstrain vesselは脳では穿通枝に相当する。strain vesselは太い血管から細い血管が分枝し血圧を急激に減らす構造である。筋層が無く血圧の影響を直接受け自動調節能がないことが特徴である。腎機能の低下で脳血管の状況を推測することができる。
穿通枝に微小動脈瘤が形成され破綻すると脳出血に至る。
糖尿病では脳出血は起きにくい。出血に関して言えば厳格な糖尿病コントロールは低血糖を考慮するなど大変であるが努力に対する利益がないこととなる。厳格な血圧コントロールは出血率を低下させる。薬剤にはカルシウム拮抗薬、ARB,ACE阻害薬、利尿薬が使われる。βブロッカーは不適である。
食事は野菜、フルーツ、魚介類がよい。
低コレステロール血症では出血率が上がる。脂肪を減らしタンパクを多く摂ることはよい。スタチンは総死亡を下げるが脳出血は少し増える。大量飲酒は脳出血を増やす。タバコは出血梗塞ともに増やす。コーヒー緑茶は低下作用がある。
BMIは20~25で低くなる。運動はよい効果がある。放射線被曝は出血率を上げる。
降圧剤は圧に比例して効果があり、安定した降圧が望ましい。降圧剤の併用療法は降圧効果を高め脳出血の予防に寄与する。

投稿者:KUSUat 23:32| 日記