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2015年04月14日

脳卒中学会  広島 (1)




シンポジウム 潜在性脳卒中
潜在性脳卒中(Cryptogenic Stroke)は原因不明の脳卒中のことで全脳梗塞の2割前後を占めるといわれる。全脳卒中の2〜3割に心房細動(af)がみつかっているが発作性afの場合は発見されないこともある。ホルター心電図が必要になる。
卵円孔開存(POF)があれば下肢静脈にできた血栓が脳に達することは考えられる。しかしPOFは15%~30%に存在するため、この存在だけで奇異性脳塞栓症とは診断できない。下肢静脈エコーが必要である。
af以外の心疾患では左室部分無活動、洞不全症候群、心臓腫瘍、感染性心内膜炎等がある。大動脈粥腫も栓源となるが、経食道エコーは以上の変化を見つけるには最適であるが、患者にとってつらい検査である。
癌に伴う脳梗塞もありD-dimer,BNPなども診断に有用である。
発症機序が確定できない場合、先ずヘパリンを使用し、その後検査を進め動脈原性の可能性が高ければ抗血小板薬に切り替え、心原性が考えられればワーファリンに変更する。「抗凝固薬は抗血小板薬の代替薬になるが逆はない」という原則がある。

投稿者:KUSUat 23:51| 日記