<< 前のエントリトップページ
2015年04月01日

振るえの話 (1)




体の振るえは医学用語では振戦と表現される。
振戦はめずらしいものではない。我々は緊張したり、恐怖に襲われたり、体温が下がったりすると自然と体が振るえることを経験で知っている。
これらは何か必要があって生じているのではないかと考えると、たとえば、寒くて振るえるのは細かな筋肉運動で熱を産生して、体温の低下を防いでいるのかもしれない。恐怖や緊張で振るえるのは筋肉をたとえば自動車でいえばエンジンをアイドリングしているような状態に保って、急激な活動に備えているのかもしれない。以上の振戦は条件が変われば消失し、特別な不都合を生じたり残したりはしないので生理的振戦といわれる。
振戦は一定のリズムをもって反復する運動である。
医学的に問題となる振戦は病的振戦といわれ、その現れ方の特徴より静止時振戦、姿勢性振戦、動作時振戦に分けられる。
静止時振戦は筋肉が収縮していない時にその筋肉に起きる振戦でパーキンソン病やパーキンソン症候群でみられる。姿勢性振戦は動かないけれど筋肉が緊張している状態(姿勢保持)で起きる振戦である。本態性振戦などが姿勢性振戦に含まれる。動作時振戦は運動中に見られる振戦で企図振戦ともいわれる。

投稿者:KUSUat 00:09| 日記