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2020年5月24日

群発性頭痛に帯状疱疹ワクチン


新型コロナウイルス対策で学会や地方会、講演会がのきなみ延期や中止ウエツブ学会になっている。そのため講演会などからの新着情報が枯渇する事態となっている。しかし実は新たな情報源は講演会に限らず多数あるのです。定期的に来るものでは内科学会誌、脳神経外科学会、脳神経外科コングレス、神経学会、神経治療学会、脳卒中学会、日本医師会誌、日経メデイカル、メデイカルトリビユーン紙がある。これだけあると隅々まで読むことは不可能です。それでザーツと見て興味のあるものか役に立ちそうなものだけ読むことにしている次第です。最近印象に残った記事はメデイカルトリブユーン紙にあったもので東京女子医大脳神経外科客員教授清水俊彦氏の報告です。反復性群発頭痛頭痛に帯状疱疹ワクチンを使用して9割に有効であったという記事です。帯状疱疹ウイルスは水痘のウイルスのことで小児では3ケ月以後2回の接種を受けるようです。ウイルスに小児期すでにかかっている場合は大人になると抗体価が低下し帯状疱疹をきたすことがあります。群発性頭痛は中年を過ぎるとあまり出なくなるのですが、それまで予防する薬剤で効果的なものがないのです。ワクチンで効果があるのであれば画期的なことといえます。検証してみる価値があります。

投稿者:KUSUat 23:18 | 日記

2020年5月15日

西洋医学と漢方


10年ほど前より診療に漢方を取り入れるようになりました。それは日常診療を進めるうちに西洋薬ではどうしても上手くいかない壁があることに気付いたからです。最初は認知症に伴う幻覚が抑肝散で抑えることがことができた経験です。向精神薬の使用は老人には使いづらく副作用の多いものです。 感冒は多くがウイルス感染によるもので抗生剤は効きません。解熱鎮痛剤は感冒の治癒を早めるものではなく、種類によっては悪化要因になるという考え方もでてきました。漢方では時期や体質、症状によって複数の処方から選択して使います。最近はようやく慣れてきました。  打撲に伴う出血や腫れを速やかにひかせる薬剤は西洋薬にはありません。漢方では治打撲一方と通導散の組み合わせでかなりの効果があります。  老人でよく見られる機械的刺激や日光刺激で生ずる皮膚の赤い状態(毛細血管の拡張か又は微細な溢血か)には桂枝茯苓丸が効きます。西洋薬では改善しません。 頭部打撲の際の脳震盪による症状には五苓散が最適です。 肩こりがつらい時は葛根湯が効きますが、西洋薬だと筋弛緩薬と鎮痛薬、ビタミンBの組み合わせになります。 医療で西洋薬は主力であることに変わりはないのですが、漢方が使えると実に有難いことがあります。

投稿者:KUSUat 23:29 | 日記

2020年5月7日

ビタミンDについて


ビタミンDは腸管でのカルシウムの吸収を促進し血中のカルシウムの濃度を高めます。そして骨からカルシウムが失われるのを防ぎ骨粗鬆症を予防します。また免疫系や神経系、血管系の機能にも関与しています。ビタミンDは経口摂取されるか日光の下で皮膚で生成されています。両方のタイプのビタミンDは肝臓で25-OHビタミンDの形になりタンパクと結合して血液で作用部位に運ばれます。ビタミンDの過不足をみるには25-OHビタミンDの測定が必要です。日本人は半数以上の人が不足状態と言われています。脳神経内科の地方会の発表で介護施設入所前の高齢者の血中25-OHビタミンDを測定したところ全員が不足状態であるとの報告がありました。食事内容や日にあたらない生活形態などが考えられますが全員であったのは驚きでした。振り返って私自身の生活も一日中屋内に居ることを考え25-OHビタミンDを測定してみました。すると欠乏ではないが不足状態の範囲の結果がでてきました。以後、意識して日光に当たる生活を工夫することになりました。しかし1時間にも達していない状況です。特に冬季は条件が悪く、夏は過剰な日除けや日焼け止めクリームの使用で効果が薄れるそうです。その後再測定して少し値が正常に近づいていました。

投稿者:KUSUat 16:22 | 日記

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