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2016年04月11日

日本神経学会近畿地区生涯教育講演 (2)




アミロイドニューロパチーについて
熊本大学医学部神経内科 安東由喜雄教授
家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)は主にトランスサイレチン(TTR)遺伝子変異が原因で起こる予後不良の遺伝性疾患である。末梢神経にアミロイドが沈着してポリニューロパチー(多発性神経炎)を起こすタイプが圧倒的に多いが、心臓障害型、脳アミロイドアンギオパチー型(脳出血をきたす)、老人性全身性アミロイドーシスもある。
TTRは血中の95%が肝臓で産生されるため、肝移植が有効なことがある。ただ残りの網膜色素細胞や脈絡叢で産生されることには効果がない。またドナー不足の問題もある。
自律神経障害は小径線維ニューロパチーである。自律神経障害は心筋MIBGが診断に有用である。
老人性アミロイドーシスは脊椎管狭窄、手根管症候群をきたす。

投稿者:KUSUat 23:15| 日記