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2016年10月01日

薬の話(5)神経系に必要なビタミン


ビタミンは生存に微量に必要な三大栄養素以外の有機物質で生体内で合成することができない物質である。神経系に関係するものはビタミンB-1,B-6,B-12が重要である。 B-1欠乏は脚気を起こすことでよく知られているが、心筋障害による心不全や末梢神経障害による下肢の痺れが主症状である。多発性神経炎やウエルニッケ脳症を引き起こす。ウエルニッケ脳症は眼球運動障害、記憶障害、意識障害などをきたす。B-1は糖質、脂質代謝に必要で特に糖質(炭水化物)を大量にとると消費され欠乏する。大量飲酒者や悪阻の時に食事がとれずB-1の入らない点滴が長く続いた場合の報告がある。B-6の不足はけいれん、てんかん、貧血、舌炎をきたす。抗結核薬のINH(イソニアジド)を使用するときは拮抗作用があるため投与し不足を補う。ギンナンも同様で大量にとると痙攣をきたす可能性があるという。 B-12はすべての細胞で代謝に関係する。DNA合成、脂肪酸代謝に関与する。不足は神経系で脂質の多いミエリンを障害する。亜急性連合性脊髄変性症は運動神経線維の通る側索、固有感覚深部感覚の通る後索が障害される。また末梢神経障害もきたす。大球性貧血で分かることもある。B-12は胃粘膜でつくられる内因子と結びついて吸収されるため、胃全摘者や萎縮性胃炎がある者など胃に欠乏原因がある場合がある。萎縮性胃炎は胃ガンの前駆状況といわれ、大球性貧血が先に判明してその後の精査で胃ガンが見つかる場合がある。以上のビタミン欠乏は経口または注射で補うことができる。

投稿者:KUSUat 08:46| お知らせ