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2017年01月01日

予防と治療


医療は予防が治療に先立つのは当然ですが、実際上は混在しながら進められます。たとえば高血圧で血圧を下げるのは、血圧が高いと動脈硬化の進行が速くなるからです。動脈硬化は心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、腎不全を引き起こします。血圧が上がることだけでの症状はあまりありません。高血圧治療は動脈硬化の進行を予防しているわけです。脳梗塞に使う薬は血液を固まりにくくする薬剤と脳循環をよくする薬を使います。前者は予防、後者は治療の薬なのです。予防はもう少し拡大して考えられます。パーキンソン病や脳梗塞では歩行が不安定になります。このような方が転倒すると痛みや安静のため筋力低下が著しく、歩行が更に不安定になり全体的な病気としては大きく進行してしまいます。転倒はなんとしても防がなければなりません。現在、患者さんに勧めているのは、毎日行う最も基本的な下肢筋トレとウオーキングストックの使用です。この方法はホームページのご挨拶のページに載せてあります。ダウンロードして使用することができます。最近、私が診ている患者さんで少しづつ実行する方が増えてきました。しかし、タイミング的に遅れてしまうとなかなか始めるのは困難なようです。これからは、もう少し早い時期から勧めるようにし転倒をできる限り防いでいきたいと考えます。

投稿者:KUSUat 17:56| 日記