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2017年03月07日

薬の話(10)薬の形態


普通一般的にいう薬は口から摂るものがほとんどです。現在では錠剤の形が多いようですが50年以上前ですと粉薬もたくさんありました。粉薬は薬効成分を粉の状態で混ぜ合わせたものでした。粉薬は扱いにくく、また薬の吸収におけるコントロールがしにくい面がありました。粉をカプセルに入れることで扱いやすく、またカプセルの溶けるタイミングを調整することで薬を消化管のどこに届けるのが最適かをコントロールすることができるようになりました。また従来ある丸薬のように単位でのみやすくした錠剤がでてきました。錠剤にも粉薬を固めただけのものもありましたが、砂糖のの衣をかぶせてのみやすくした糖衣錠もできてきました。錠剤は薬効成分とそれを固める基剤からなり、基剤を工夫することで溶ける速度や消化管のどの部位で溶解するかを調整することができるようになりました。また錠剤の表面を溶けにくい物質でコーテイングすることで溶ける速度や場所をコントロールすることもできるようになっています。コーテイング錠は割ったり砕いたりすると効果に変調をきたすため注意が必要です。薬剤の有効成分は吸収代謝過程の違いですぐに吸収されピークに達し短時間で消失するものもありますが、長時間効果を保つため少しずつ吸収されるよう工夫されています。薬効成分が同じであっても製剤の技術が伴なわないと十分な効果を得ることができないことがあります。

投稿者:KUSUat 22:56| 日記