<< 前のエントリトップページ
2017年07月03日

教育講演 リューマチについて


関節リューマチのこれから 聖路加国際病院 免疫リューマチセンター センター長 岡田正人先生 リューマチ(RA)は免疫異常反応で起きる関節滑膜の炎症です。炎症が進むと軟骨破壊が起きます、軟骨は再生することができません。更に進むと骨破壊を生じます。破骨細胞が骨の石灰を溶かし、骨芽細胞が修復します。修復には時間が掛かります。このバランスが崩れると骨破壊は進行します。診断には病態診断、除外診断、臨床診断を行い治療へとつなげます。RAはコントロールする病気と考える必要があります。薬物治療が中心となりますが患者個々のneedsを考え治療を進めます。薬剤は最初の2〜3ケ月で副作用が出やすいので注意します。メトトレキサート(MTX)は早めに多く使い炎症を早く治めます。炎症は免疫力を抑えます。MTXの副作用は肝機能障害、血球減少があります。悪性リンパ腫もありますがEBウイルス感染が関連するといわれています。ステロイドは最初の炎症を抑えておくのに必要で目標を達せれば減薬中止します。ステロイド減薬はRAでは隔日投与で減薬するとうまく移行できます。休薬日に自力でステロイドをつくるようになるのです。ステロイドは骨芽細胞の能力を抑えます。そのため使い続けると骨破壊が進行することになります。骨粗鬆に対するアクトネル使用で顎骨壊死が気がかりですが抗生物質使用も含めた感染対策が重要です。またMTXはタバコで効果が減弱することを念頭に置く必要があります。ビタミンAは骨にはよくありません。低分子製剤は高価ですが併用したり、上記で効果が期待できない場合は有力な治療となります。

投稿者:KUSUat 11:32| 日記