2018年05月01日
脳外科学会地方会 福井
高齢者の三叉神経痛に対する微小血管減圧術 藤田保険衛生大坂文種報徳会病院脳外科 宮谷京佑先生 75歳以上の8例につき検討した。方法は全ての例で圧迫血管周囲を神経内視鏡下に手術用顕微鏡の死角部の確認を行った。術中ICG蛍光造影で圧迫血管と穿通枝の血流確認を行った。結果は全例で改善を得ることが出来た。圧迫血管と神経の位置関係の確認は必須であり、このことで手術の効果を確実にすることができる。また血流の確認で合併症を予防できた。
頸動脈内膜剥離術(CEA)の縦切開と横切開の術野の違い 豊田厚生病院 圓若幹夫先生 不安定なプラーク、プラーク量の多い狭窄病変、高度石灰化病変ではCEAが頸動脈ステント術(CAS)に対して優位性を持っている。またモニターで(SEP等)で変化がみられる場合は内シャントを行って手術を進めている。頸動脈をなるべく遠位まで確認できると手術操作が容易になるが皮膚の縦切開と横切開で比較してみた。縦切開では最高第1頸椎下縁レベルまで、横切開では最高第1頸椎上縁レベルまでの観察が可能であった。内シャントの必要な場合も想定すると頸動脈の展開が安全に行われる横切開により確実な手術が期待できる。
Segmental Arterial Mediolysis(SAM)のクモ膜下出血 愛知医科大学脳神経外科 伊佐治泰己先生 SAMは小中動脈(腹部動脈、頭頸部動脈、冠動脈、腎動脈、肺動脈など)に特発性の非炎症性・非動脈硬化性血管疾患である。多発動脈病変(動脈瘤、動脈解離)を形成し腹腔内出血やクモ膜下出血を発症する。SAMは中動脈血管壁中膜の平滑筋細胞の融解より特徴づけられる。多発性に血管病変があり多発性に血管障害が起きる場合には考慮すべき病態の一つといえる。
投稿者:KUSUat 08:37| 日記