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2018年06月08日

脳神経外科コングレス (2)




頸動脈狭窄症に対する最良の治療選択 徳島大学脳神経外科 里見淳一郎先生  症候性の有無、狭窄度は最も重要な因子である。20年前に無症候性高度狭窄、症候性中等度狭窄に対して内膜剥離術(CEA)の有効性が示された。その後ステント留置術(CAS)の経験や資材の洗練で成績の向上があり再度検証する意味が出てきている。CASは内科的治療との比較検討の試験が無くこれも課題となっている。国内的にはCEAの施術が減り、新たに習得する施設が少なくなっている。CSAでは困難でCEAを選択する場合などに制限がかかってしまうこととなる。症候性では50%以上でCEAが行われている。無症候性では60%以上でCASがなされ、3%の合併症があるという。ただ、いずれも経験が積まれた施設でないと成績は安定しない。
慢性頭蓋内血管狭窄症への最良の治療選択 兵庫医大脳外科 吉村神一先生 ステント留置術の有効性は否定された。積極的内科治療の成績が予想を越えて有効でステントで合併症率が高かった。内科治療でも年間12.2%の脳梗塞再発を認めている。原因をつきとめ対策する。血行力学的機序ではバイパスや血管内治療であり塞栓症では内科治療強化や血管内治療が選択される。ステントでは穿通枝との関係が大事である。、発症早期の介入は成績が悪くバルーン拡張を先ず行い、安定した時点でステントを設置する。頭蓋内血管のプラークの診断が可能となりつつあり画像診断による治療選択や薬剤によるプラーク安定化が選択肢になると思われる。

投稿者:KUSUat 23:44| 日記