2019年01月01日
年の初め
年の初めに
昨年を振り返ってみると新たな蓄積としてはいくつかのことがありました。
片頭痛の予防薬としては様々な薬剤がありますが塩酸アミトリプチリンは再評価される薬剤と思われます。この薬剤は緊張性頭痛にも効果があります。いずれも1錠(10mg)か2錠で効果があり効果の減衰がありません。典型的な片頭痛の患者さんの他に中学生の訴えの分かりにくい片頭痛(?)に使い効果がありました。片頭痛予防薬は多数あるので順番に試していきますが最初の方に使ってみるべき薬剤だと思いました。
感冒の長期化した状態に補中益気湯を使いますが、高熱が出てきて改善しないケースで補中益気湯が劇的に効果した例を経験しました。敗血症(CRP+6)も一時疑った例です。
海綿静脈洞症候群や側頭動脈炎にはステロイド使用が必須ですが、糖尿病患者の場合、糖尿病の悪化のリスクがあり患者にも治療者にも大きなストレスとなりました。
長い間、高血圧や脳血管障害など他疾患で診てきた患者で高齢化に伴い転倒のエピソードが出現してきた方で、わずかな固縮を見つけてDAT-SCANを行うと高率にドーパミントランスポーターの線条体での低下を認めました。パーキンソン病レビー小体型認知症の潜在率は高齢者ではかなり高いと認識する必要があると思われます。
今年は認知症の診断の精度を更に改善するよう心掛けたいと考えます。認知症は一旦治療が始まってしまうと治療の適否の評価が難しくなるため慎重さを持って進めることを心に銘じて診療したいと思います。
投稿者:KUSUat 17:34| 日記