2019年03月03日
教育講演 アレルギー疾患
花粉症治療における労働生産性
日本医科大学耳鼻咽喉科 後藤 穣准教授
花粉症などのアレルギー疾患は症状そのものが負荷となって労働生産性を下げることになります。治療は抗原を避けることや舌下免疫療法、手術などありますが薬物療法が主になります。症状により様々な組み合わせの治療が行われます。鼻閉には抗ロイコトリエン薬や好酸球増多が有ればステロイドを使います。一般に抗ヒスタミン薬が使われることが多いのですが薬による集中力抑制作用が問題になります。抗ヒスタミン薬の中ではビラスチン(ビラノア)、フェキソフェナジンが脳に移行しにくいとされています。特にビラノアは速効性が期待でき、また季節性や治療効果の出にくい通年性アレルギーにも効果が期待できます。ビラノアはジルテックと効果的には同等と考えることができます。抗IgEモノクローナル抗体製剤のゾレアは喘息や慢性難治性蕁麻疹に対して適応を取っていますが適応が広がることが期待できると思います。
投稿者:KUSUat 19:47| 日記