<< 前のエントリトップページ
2019年06月01日

脳神経外科コングレス 横浜(2)




プレナリーセッション 頭蓋内血管狭窄病変
もやもや病に対する血行再建術 京都大学 舟木健史先生 もやもや病は(1)成人虚血型(2)成人出血型(3)小児虚血型に分類される。(1)では直接バイパスを含む手術が有効で(2)でも同様な対応が再出血予防に有効である。特に後方出血群が予後が悪いが脈絡叢型吻合路が脆弱血管であることが分かってきた。このことより脈絡叢型吻合路の存在する場合の血行再建が将来の出血を予防する手立てとなると思われる。
頭蓋内狭窄病変に対する手術治療 NTT東日本関東病院 井上智弘先生  症状を出した動脈硬化性主幹動脈(70〜99%)狭窄を内科的治療に優って安全な成績で血管内から開大することは現時点では困難である。症候性となるには(1)狭窄部プラーク破綻からの動脈→動脈塞栓症 または近隣穿通枝を巻き込む穿通枝梗塞(2)狭窄末梢の血行動態による虚血がある。(1)は内科的にプラーク安定化をはかる。(2)は狭窄末梢部に比較的low flowのバイパスを置くことで不安定プラークを刺激せずに血行再建が期待できる。また主幹動脈が急性閉塞した場合は(特に椎骨脳底動脈では)緊急ー準緊急バイパスが必要な時がある。ただ一例一例、狭窄度、部位、プラークの状態を見極めて対応する必要がある。

投稿者:KUSUat 08:35| 日記