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2020年08月10日

脳神経外科コングレス 金沢 (1)




(1)下垂体腺腫の手術治療 鹿児島大学 藤尾信吾先生 手術アプローチは経蝶形骨洞法が主流であり内視鏡手術が広く普及しモニターカメラの高性能化や3D技術の進歩もあって手術成績は進化をとげている。必要に応じて開頭手術と同時に行うこともある。残存の場合は放射線治療、薬物療法を行う。術後のホルモン低下で倦怠感を生ずる。ACTH低下で関節痛がありコートリル投与、TSH低下で不妊がありホルモン補充する。
(2)機能性下垂体腺腫の薬物治療 大阪大学 押野 悟先生 プロラクチン産生腫瘍以外は手術が第一選択となる。出来るだけ取って残れば薬物治療を組み合わせる。ただクッシング病は全摘できるかが重要である。プロラクチン産生腫瘍は持続時間の長いカベルゴリンが使用されることが多い。この場合、髄液漏を生ずることがあるので注意が必要である。
(3)聴神経腫瘍の治療 千葉大学 樋口 佳則先生 治療は(a)手術、(b)定位放射線治療SRS、(c)経過観察に分かれる。最近は検査の発達で小さなものが見つかり(c)が多くなってきた。自然歴では個人差があるが変化は体積で追跡する方が良い。発見から1,2年で増大するものが多い。脳槽内に出ているものやシストがあるものは増大しやすい。SRSは小型腫瘍の治療オプションとして使えるが長期では聴力低下の可能性が問題になる。聴力機能温存を意識した手術治療となる。
(49頭蓋咽頭腫の手術 大阪市立大学 後藤 剛夫先生治療には手術、放射線があるが長期成績で放射線はよくない。最近は経鼻内視鏡手術の進歩で手術成績の向上が言われる。積極的に手術でとるのが良いと思われる。   

投稿者:KUSUat 23:07| 日記