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2020年09月01日

脳卒中学会 横浜Web (2)




閉塞性脳血管障害の治療  脳血栓症と脳塞栓が併存することがあります。脳血栓症の予防には抗血小板薬が使用されます。脳塞栓症では抗凝固薬(直接経口抗凝固薬DOAC,ワーファリン)が使われます。最近はDOACが使われることが多くなっています。ではDOACと抗血小板薬の併用には問題があるのでしょうか。元々、両者とも服用により脳出血の率を上げるという副作用があるのです。そのため併用により更に脳出血の危険性が増すことになります。特にフレイル(低栄養、低体重)腎不全の場合は特別に注意するべきです。それぞれの事情に応じて血栓症か塞栓症かどちらの要素が強いか判断し投薬内容を選ぶ必要があります。心筋梗塞や脳血栓症では再発予防に抗血小板薬が使われます抗血小板薬を2剤使用(DAPT)使用することがあります。特に心臓関連では多いと考えられます。この場合やはり脳出血の率が更に高くなります。そのため漫然と使用することはなく期間を限って2剤使うことになります。血圧のコントロールも大切です。また抗血小板薬で唯一出血のリスクを上げない薬剤としてシロスタゾールが有ります。頻脈傾向が無ければシロスタゾールの使用も良いと思われます。

投稿者:KUSUat 08:29| 日記