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2021年09月09日

脳血管障害でルーチンで終夜睡眠ポリグラフィーを


多発性脳梗塞は主幹脳動脈から出る穿通枝の閉塞で起きるラクナ梗塞や主幹動脈から距離がある末梢部での多発性の虚血を表現する言葉です。 多発性脳梗塞は主幹動脈のプラークによる狭窄から進展する脳梗塞とは違う病態です。ラクナ梗塞は高血圧が関係すると考えられ、予防には血圧コントロールと抗血小板薬のシロスタゾールが使われます。ただ血圧があまり高くないのにラクナ梗塞があったり、MRIのフレアー画像で皮質下に複数の虚血を表す白斑が認められることがあります。このような例で簡易終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)を行うと重度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)であることが分かりました。最近、該当する3人の多発性脳梗塞の患者さんでPSGをすると3人全員がSASで驚きました。半年前は脳幹部梗塞の患者さん3人がSASであることがわかり全員CPAP(持続陽圧呼吸)を導入しました。夜間の過酷な低酸素状態は最小動脈レベルの血管を損傷するのではないかと考えられます。現在使われる簡易PSGは身体的な負担が全くありません。簡易PSGを脳梗塞患者でルーチンに行うとより医療精度が上がると考えられます。

投稿者:KUSUat 22:25| 日記