2021年12月09日
顔面神経麻痺について
顔面神経麻痺が起きると顔面の筋肉に力が入らなくなり閉眼がし難くなったり口角から水が漏れたり表情が出せなくなったりします。通常は一側性で、脳のレベルでおきる中枢性と末梢で起きる末梢性に分かれます。中枢性では顔面でも額部分は両側支配になっているため顔の頬部以下の麻痺に比べて麻痺が目立ちにくいといえます。その違いによって両者を区別することはできるのですが、麻痺が弱いと判断しづらいことがあります。最近数か月の間で4人の患者さんがありました。いづれも末梢性顔面神経麻痺です。以前は原因が分からず特発性とされていましたが原因は単純ヘルペスまたは帯状疱疹ウイルスによるもののようです。ウイルスによる炎症が顔面神経が通る細い管の顔面神経管の部分で起きると神経が腫れあがり自らを圧迫して機能低下を引き起こすのです。治療には抗ウイルス薬と腫れを改善するステロイドが使われます。タイミングよく治療されるならば9割以上の方が支障を殆んど残さず回復します。最も重大な合併症は角膜炎で視力視野の障害を起こすことです。まばたきが少なくなり閉眼も困難となると眼球が涙で覆われることなく傷つき角膜炎を起こし悪化すると角膜混濁をきたします。予防には点眼、軟膏を使い睡眠時は瞼を閉ざして眠るようにします。ほこりっぽい場所や風の強い場所、乾燥した場所を避けるようにし、出来ない時はゴーグルをするのも良いと思います。
投稿者:KUSUat 23:23| お知らせ