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2022年09月05日

内科学会北陸支部生涯教育講演




難治性血管炎の診断と治療についての講演であったが巨細胞性動脈炎についての部分をまとめてみる。側頭動脈炎は頭痛、リューマチ性多発筋痛症は筋肉痛で当院でも何人かは診ているのですが病理学的には巨細胞性動脈炎ということになっています。殆んどが一二か月のステロイド投与で改善しますが少数の人が僅かな量を長期使用しています。今回の講演内容と比べると私の診ている患者さんは軽症または不全形であるといえます。浅側頭動脈や筋肉の強い圧痛がありステロイド投与で著明に改善します。頻度もめずらしいわけではありません。この講演で取り上げられた巨細胞性動脈炎は年間数は3000から4000人の間で厳格な診断基準を満たしたものであるようで数の少なさに驚きました。他の大型血管炎と比べ巨細胞性動脈炎と診断する際の基準として必須基準は50歳以上の発症であること、臨床的な特徴として肩・首の朝のこわばり、突然の視力低下、新規の側頭部頭痛、頭皮の疼痛、浅側頭動脈の異常所見があり、検査ではCRPが1.0mg/dL以上、浅側頭動脈生検での陽性または超音波検査でのhaloサイン、両側腋窩動脈病変などです。私が診ている殆んどでCRPは1.0mg/dL以下です。浅側頭動脈の強い圧痛がありますが盛り上がるような形態的変化はありません。ただこの講演では巨細胞性動脈炎は大血管の病変を合併することがあり鎖骨下動脈、腋窩動脈、大動脈において注意する必要があるとのことでした。

投稿者:KUSUat 14:27| 日記