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2023年05月01日

脳卒中学会シンポジウム(2)




シンポジウム抗血栓薬の使い方 非心原性脳梗塞において急性期の再発が多く直ちに抗血小板薬の投与が望ましい。効果発現時間はアスピリン30分〜60分クロピドグレル3日〜7日シロスタゾール3時間といわれ、アスピリン初回投与160mg〜300mgを開始する。効果を高めるため更にもう一剤使うDAPT(2種の薬剤による抗血小板療法)を行う。ただし3ヶ月以上の使用は効果より出血のリスクの方が上まわることが分かってきた。またDAPTは長期では単剤にまさるわけでなく出血リスクを考えると中止し単剤にすることが望ましい。ただ不安定プラークに対してはDAPTは長くする必要が有る。シロスタゾールは出血を増やさないことが知られている。シロスタゾールは抗血小板作用の他血管拡張や降圧作用もあわせもっている。クロピドグレルは不応性の人がいるが新たに出たプラスグレルはそれを考慮する必要がない。データの蓄積により選択肢が広がることになると思われる。心原性脳血栓症で急性期の抗凝固療法でワーファリン、DOACは効果は同等であるがDOACにおいて頭蓋内出血や死亡率が少ない。また発症3日目までと4日以後の開始で安全性は変わらない。またDOAC下でのTPA療法は可能である。慢性期の抗血小板薬使用は頭蓋内出血、消化管出血のリスクを上げるが注意が必要である。抗血栓症薬はアミロイドアンギオパチーや頭部打撲、活動性出血の場合は使用不可である。ワーファリンはDOACの3倍の出血リスクがあると言われている。DOACの使用も腎機能や年齢等を考慮し投与量の調節を行い出血イベントを抑える努力がなされている。

投稿者:KUSUat 09:01| 日記