2023年12月24日
今年をふりかえって
本年を振り返ってみると睡眠時無呼吸症候群(SAS)と脳卒中との重大な関係を広く知ってもらうことは道半ばにも達していない状況といえます。当院での症例では数が多くないことに加え年齢のバラツキがあり説得性に欠けるとということだと思います。それは分かっていて研究進展の切っ掛けとしての学会誌への提案でしたが脳卒中学会全体にあるSASに対する無関心と無視が影響したことは査読でのコメントより感じられました。循環器内科学会では3月にSASについてのガイドラインが改定され、その中には脳卒中との関連も記載され私の研究結果と相応するものでした。他の学会で取り上げられているという逆転現象です。ガイドラインの中には心房細動(af)でのSASの合併は8割に達するとの記載があり、afは脳塞栓症の最大の原因です。現在、脳塞栓症の患者さんの治療は急性期は血栓回収術やTPA治療ですが慢性期にはDOAC、ワーファリンを使用し再発予防をします。この治療は脳神経内科医と脳神経外科医が担っていますが、循環器内科を経ずに直接脳塞栓症を診ることになった場合、慢性期治療において重症SASを認識しないまま診療が進む可能性があります。この点から先ず私の周りにいる先生達にお話して興味を持ってもらい、そこから本来の脳虚血性病変との関連に広げてもらうことを期待しようとと思います。
投稿者:KUSUat 14:14| 日記