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2024年03月09日

脳卒中学会




脳卒中後てんかんのパラダイムシフト 国立循環器病研究センター脳神経内科 猪原匡史先生 脳卒中後てんかんは高齢者てんかんの半数を占めると言われています。脳卒中による脳損傷に由来し1週間以内に出現するものをerly seizure,以後に出るものをlate seizureと言います。ただ実際は1週間できちんと分けられるのではなく移行していると考えられています。てんかんの診断は24時間以上あけて2回以上の発作で診断しますが高リスクのものでは一回でもてんかんと診断し治療に入ります。てんかんの起き易さをスコアでとらえますが脳出血ではCAVE score 脳梗塞ではSeLECT scoreが使われます。erly seizureがあると重篤性が高くなり脳表病変で起きやすいとされています。またスタチンは発作抑制的に働きます。脳卒中後てんかんの約半分でMRI上ジデローシス(ヘモジデリン沈着)をみますが、対象群では5%にあるのみです。診断ではけいれんの無いものが多く脳波による検出も長時間でないと検出率を高めることができないという問題があります。脳波所見は棘徐波結合や律動的なデルタ波などです。脳血流SPECTで発作に近い時間での贅沢還流現象をとらえることも有用です。これには時間をおいて2回検査するやりかたや、一回の検査で反対側と比べる方法などが有ります。脳表病変は脳波が有効で、深部病変はSPECTが有効だと考えられます。治療は抗てんかん薬が有効で一次薬としてレベチラセタム、ラモトリギン、トピラマートやゾニサミドなど最近の薬が副作用が少なく効果もあります。脳卒中後てんかんは再発が多く機能予後、死亡リスク、認知症リスクを悪化させます。てんかんが脳卒中を起こすことも言われ、抗てんかん薬が脳卒中を起こし易くしている可能性も考えられています。

投稿者:KUSUat 19:33| 日記