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2011年02月27日

幽霊の出るテラスの謎

2010年5月15日金沢ミステリ倶楽部今年度最初の
例会(通算第22回)が開催され、参加者は10名でした。
◆近況報告
・浦沢さんの「ビリーバット」を読んでいる。様々な時代にビリーバットが現れる漫画。綾辻さんが選んだ推理短編集で山田風太郎の『黄色い下宿人』を読んで面白かった。
・最近のミステリの賞の傾向として叙情的なものが見られる。『プールの底に眠る』(殺人よりもぼくと彼女との関係が謎)『祈りと叫び』(上手。砂漠など世界を舞台に短編ミステリに仕上げている)
・クリスティー展に行ったが、クリスティーの肉声が聞けた。タイプライターがあった。(クリスティーのしおりのおみやげが皆さんに配られた)神田で、ん万円使った。『マイアミ沖殺人事件』を買った。戸川さんのお世話になった。息子さんは『そして誰もいなくなった』を読んでいる。
・『スイス時計の謎』を読んだ。ドラマで『臨場』が科学捜査を扱っていておすすめ。
・「本格推理」と書いてあったので、斉藤栄の『金糸雀の唄殺人事件』(?)を読んだ。綾辻さんの『水車館の殺人』も読んでいる。地図が…。
・『ななつのこ』少しずつ読んでいる。ほのぼのしている。『新参者』ドラマと並行して読んでいる。ドラマMOTHERの先が気になる。映画「トリック」「シャッターアイランド」見た。「シャッター」は結末がわかった。
・ドラマ「臨場」「新参者」「チェイス」「タンブリング」見ている。DVDで「ブレードランナー」「ペットセメタリー」「タイタンの戦い」見た。『蝦蟇倉市事件1』途中まで読んでいる。読みやすい。うのあきらの本を見に行った。『無実はさいなむ』『終わりなき夜に生まれつく』の真鍋さんの表紙の本を探している。
・去年は乱歩賞一次を受かったのに、今回は一次も受からなかった。横関大という人が乱歩賞に決まったが、4〜5回最終選考に残っていた人なので名前を覚えていた。知らない人だがうれしい。桐野夏生の『東京島』を読んだが 面白かった。
・斉藤栄の作品に出てくる犯人の金沢の住所が自分の家と同じだったことがある。夢枕獏の『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』全4巻『撓田村事件』『毒薬の輪舞』(二転三転の結末)、『クリスマステロル』(どんでん返しが作家が小説を書かないというものだった)、『一応の推定』(感想を書いた紙が貼ってあった)を読んだ。ビリー・ワイルダーの『シャーロック・ホームズの冒険』を見た。
・KくんオススメのDVD「放送禁止」を見た。ドキュメンタリータッチのフィクションで、3巻目のストーカーの話がオススメだった。1巻目は大したことないと思ったが、ネットでネタバレを見たらすごく奥が深くてそんな話だったのかと思った。DVDで「幻影師アイゼンハイム」を何気なく見ていて、ラストビックリした。
大倉さんの『白戸修の狼狽』を読んでいる。大倉さんの『無法地帯』の登場人物たちが出てくる短編もあって面白い。

◆合評会は「幽霊の出るテラスの謎」(E・D・ホック)でした。
エドワード・D・ホックのサム・ホーソンシリーズは、ノースモントという町で不可能犯罪ばかり起こり、医者のサムが解決するという設定。今回はその中から「幽霊の出るテラスの謎」を合評した。結末を伏せて読んだ後、テラスから男がどのようにして消えたのかを皆さんに聞いてみたが、今回は誰も思いつかないようだった。結末部分を読むと、一応伏線があり、はでなトリックが使われていて、皆さん納得した様子だった。島田先生の大ファンのKさんもこのトリックには満足だった。現代を舞台にこのトリックではバカミスになるが、この時代ということで許される。
テラスの仕掛けは重要な意味があるかと思ったが、ミスディレクションだった。タイトルもミスディレクションだった。消えた人が幽霊だったら意外だが、ミステリではなくなってしまう。練習をしているが、誰かに見られる可能性もある。練習してまでする犯罪はしない方がいいと(何か、忘れました)に書いてあった。
しかしそこまでしてその方法で殺す必然性は、とは言わないことに…。
ホーソンでは『投票ブースの謎』がおすすめ。『有蓋橋の謎』は図でもないとわからない。『消えた空中ブランコの謎』がオススメ。巨大ミミズクが人を殺したという『巨大ミミズクの謎』が気になる。
ノースモントといい、セントメアリーミードといい人がたくさん死ぬ。
ホックは昨年度読んだ都筑道夫さんと共通点が多い。ニック、レオポルド、ホーソンと数々のシリーズキャラクターを生み出したこと、ホワイダニットも力を入れていたこと、パズラーといわれる短編をたくさん書いたこと、など。

投稿者:keita2at 21:21| お知らせ | コメント(0) | トラックバック(0)

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