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2012年11月18日

「旧暦」についてのお話です。

 カレンダーを見たら、今日11月18日は、旧暦ではまだ10月5日でした。
 先日、ニュースで「立冬」の話題が流れていたので、改めてカレンダーを見てみると、「立冬」は旧暦の9月24日で実際の11月7日でした。

 旧暦では9月24日がもう「立冬」と、少し違和感を感じたのでもっとカレンダーを見てみると、11月14日が旧暦の10月1日、12月12日が旧暦の10月29日、12月13日が旧暦の11月1日となっていました。旧暦では、月の日数は大の月30日と小の月29日があり、それは年によって異なり、今年の10月は小の月で29日までの月となっていました。

 さらに詳しく調べてみると、現在の暦は、明治5年12月3日を明治6年1月1日とすることから始まっていることがわかりました。最初から約1ヶ月、ずれていた訳です。
 また、旧暦は月の動きをもとにしているため、月が地球を1周するのが約29.5日なので、12か月では354日にしかならず、1年で約11日のずれ、3年では1か月余りのずれが生じてしまうこともわかりました。
 加えて、その誤差を補正するために、19年間に7回の閏月(うるうつき)を挟んでいることもわかりました。
 ちょうど今年がその閏月(うるうつき)を挟む年になっているとのことだったので、カレンダーを見てみてみると、実際の4月20日が旧暦の3月30日、実際の4月21日が閏3月1日となっていて、旧暦3月に続き、旧暦閏3月と、3月が2ヶ月、続いていました。驚きです。

 また、東洋の太陰太陽暦である旧暦では、「日付」を定めるのは太陰、つまり月の動きですが、「季節」を定めるのはあくまでも太陽の動きとなっています。
 その太陽の1年の動きを24等分したのが「二十四節季」で、立春、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨、立夏、小満、芒種、夏至、小暑、大暑、立秋、処暑、白露、秋分、甘露、霜降、立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒の24節季で表されていることもわかりました。

 これら24節季の起算は冬至からと決められていて、太陽を観測して最も低い日を冬至と定めることになっているそうで、春分や秋分も夏至も、太陽の動きを計算して事前に暦を定めるため、太陽が地球を1周するのはちょうど365日ではないことから、冬至も春分も年によっては1、2日は、ずれてしまうことになるようです。

 それでもおおむね、一定ではある訳ですが、これを旧暦に当てはめると、日が定まらないので、1か月ずれることもあれば、最大2か月ずれることもあるとのことで、実際の季節との差に多少の違和感を生じてしまうのは、ある意味、仕方がないことであるというのが自分の結論となりました。

 日本では、6世紀から中国から遣唐使を通じていくつかの暦が入ってきていて、平安時代初期から「宣明暦(せんみょうれき)」が使われました。
 しかし、中国の都を基準にして作くられた歴だったので、日本とは経度による誤差があり、その後、約800年間、宣明暦を使い続けた結果、江戸時代初期には約2日ほどのズレが生まれてしまうこととなり、ついには知識階級の間でその暦のズレが指摘され、あの映画化された『天地明察』の物語、安井算哲の改暦事業へとつながっていったようです。

 先日、映画『天地明察』を見てきましたが、一般の人々が地球が丸いことも知らず、正確な計測もできず、正確な日本地図もない時代に、その違いに気付き、改暦し、大和暦を作ってしまう、昔の人たちのバイタリティにはただ驚くばかりです。

 その後、1684年3月3日、朝廷は宣明暦に変えて明の大統暦を採用、その半年後の10月29日、算哲の作った大和暦が、貞享暦として採用され、その後も改暦を繰り返し、明治時代に西洋から入ってきた太陽暦であるグレゴリオ暦が採用され、現在に至っている訳です。

 ちなみに、今月、旧暦の神無月は、神無月の「無・な」が「の」にあたる連体助詞「な」で「神の月」とする説が実際には有力な説となっているようですが、「全国の神様が会議をするために出雲に集まってしまうので、日本中の神様がいなくなってしまうから」ということで「神なし月」と付けられたという俗説の方が一般には知られています。
 それは今も出雲大社ほかいくつかの神社で旧暦10月に「神在月」の神事が行われていることから、中世以降、出雲大社の御師が全国に広めたため、俗説となって定着したのではないかと言われているそうですが、できれば信じたい、そんな俗説ではないでしょうか?

 そんな出雲大社は現在、60年に1度の御屋根替えと修造が行われる「平成の大遷宮」の真最中です。
 平成20年4月20日に大國主大神様を仮のお住まいの御仮殿(現拝殿)にお遷しする「仮殿遷座祭」をし、御修造が整う来年、平成25年5月に、もとの御本殿にお還りいただく「本殿遷座祭」が行なわれる予定となっているそうです。
 現在の国宝御本殿は、延享元年(1744)に御遷宮御造営され以来、文化6年(1809)、明治14年(1881)、昭和28年(1953)と3度にわたり御遷宮され、いよいよ来年、2013年が「平成の御遷宮」の年となります。
 次の機会は60年後の2073年になるとのこと。歴史が感じられますね。

 旧暦神無月10月5日、天才ジョッキー武豊騎手がジンクスを打ち破った日。そんな日にふと思い、調べたことを記録として、書き残しておくことにしました。それでは。

投稿者:森ちゃまat 23:10| お知らせ | コメント(0) | トラックバック(0)

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