「ダービー」まで あと2日!
競馬の祭典「日本ダービー」まで、あと2日です。
今日は、幻のダービー馬「マルゼンスキー」のお話です。
幻のダービー馬と言えば、当時の関西テレビの杉本清アナウンサーが「菊花賞」で実況した「菊の季節にサクラが咲いた!! サクラスターオーです!!」の名実況が思い出される1987年の「サクラスターオー」がいます。
「皐月賞」を勝ったものの、怪我(繋靱帯炎)のため休養を余儀なくされ、「ダービー」には出れなかったけれど、その後、「菊花賞」を勝ったため、もし「ダービー」に出ていればと言われています。
そんな「サクラスターオー」のように、 第54回の優勝馬「メリーナイス」には悪いけれど、幻のダービー馬と言われる馬が何頭かいます。
そんな中、怪我や故障で出走を断念したわけでもなく、何も状態に不安等がないのに「ダービー」に出れなかった馬がいます。
それが1977年の「マルゼンスキー」です。幻のダービー馬と言うより、幻の三冠馬とも言える馬です。
「マルゼンスキー」の母「シル」は、イギリスクラシック三冠馬「ニジンスキー」の子供を腹に宿した状態で、アメリカのキーンランドセールで購買され、日本へ輸入され、日本で子どもを生みました。
その生まれた子どもが、「マルゼンスキー」です。いわゆる"持込馬"でした。
当時、"持込馬"は、内国産馬保護のため、クラッシックへの出走が規制されていました。規制されていたのは、結果として、1971年から1984年までの14年間だけだったので、まさに"不運"としか言いようがありません。
「マルゼンスキー」は結果、8戦8勝。全勝のまま引退したのですが、その"強さ"については、こんなエピソードがありました。
6戦6勝で迎えたダービーの前、「マルゼンスキー」の主戦騎手だった中野渡清一(後にJRA調教師→引退)が語った下記の逸話が残っています。
『28頭立ての大外枠でもいい。賞金なんか貰わなくていい。他の馬の邪魔もしない。この馬の力を試したいから「マルゼンスキー」に日本ダービーを走らせてくれ』
もちろん、出走は叶わなかったのですが・・・。
ちなみに、この年のダービー馬は第44回の「ラッキールーラ」。弥生賞を勝ち、皐月賞は2着。超大型馬でダービー出走時の馬体重はなんと534キログラム。現在でもダービー最重量優勝馬です。また、今では考えられませんが、その年のダービー出走馬は28頭。「ラッキールーラ」は24番枠での勝利で、ダービー史上最外枠での優勝馬でもあります。
「マルゼンスキー」のひとつ上の世代には、あの「トウショウボーイ」、「テンポイント」がいましたが、結果として、同世代の「ラッキールーラ」も含めて、直接対決は実現しませんでした。
ただ、ダービーは7着だったものの、菊花賞を勝ち、「テンポイント」が優勝した有馬記念で4着、翌年の「テンメイ」が勝った秋の天皇賞で2着となった「プレストウコウ」で、「マルゼンスキー」の強さを比較することができます。
ダービー後の6月26日の「日本短波賞」で、「マルゼンスキー」は「プレストウコウ」と対決しています。
結果は「マルゼンスキー」の勝利。それも直線だけ、7馬身差です。スピードの違いで後続を離して逃げていた「マルゼンスキー」は、4コーナーでスピードを緩める勘違いをし、各馬がやっと追いついてきたところで再加速。結果は驚異的な、7馬身差です。
勘違いしたのは、返し馬の時、鞍上の中野渡騎手が雨で4コーナーの内馬場が荒れているのをチェックするために止まったことを「マルゼンスキー」が本番でも覚えていてスピードを緩めたのではないかという逸話もあります。
このレースは自分もテレビで見ていましたが、単に強いというより、あきれるぐらい強く、まさに、次元が違う走りでした。
当時、ほかの馬とエンジンが違うということで、外車のイメージがあり、「スーパーカー」との愛称で呼ばれていたのを覚えています。
「マルゼンスキー」は引退後、種付馬となり、1988年には「サクラチヨノオー」が、母の父として、「ウイニングチケット」と「スペシャルウィーク」が、ダービー馬となっています。
「マルゼンスキー」と同じ"持込馬"としては、1996年に「フサイチコンコルド」、2004年に「キングカメハメハ」、2010年に「エイシンフラッシュ」がダービーを制しています。
時代にもてあそばれた感じの「マルゼンスキー」。そんな馬がいたことを忘れないでほしいですね。
さあ、今年のダービーの枠順が発表になりました。
http://www.jra.go.jp/keiba/thisweek/2013/0526_1/ss.html
今年はどんなドラマが待ち受けているのでしょう。楽しみです。
今年から、金沢競馬場でもダービーの馬券が発売されます。それでは。
<日本中央競馬会>
http://www.jra.go.jp/
投稿者:森ちゃまat 23:59| お知らせ | コメント(0) | トラックバック(0)