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2016年4月8日

日本神経学会近畿地区生涯教育講演




中枢神経系感染症の最近の救急治療
        日本大学医学部亀井聡教授
初期治療が迅速であることが転帰に大きく影響する。細菌性髄膜炎を疑った場合は1時間以内に抗生剤を開始する。血液培養は必ず2セット取っておく。腰椎穿刺は脳ヘルニアの可能性有れば禁忌となる。起炎菌がわかれば最適抗生剤に変える。ステロイドの併用は新生児、外科的侵襲以外では有用である。耐性菌についての考慮は常に必要である。結核性のものは脳底部で炎症が強く、脳神経を障害する。また血管炎をきたすのでステロイドを併用する。
単純ヘルペス脳炎は急性ウイルス脳炎が疑われたら血清上や画像上の証明がされていなくてもアシクロビル投与開始する。ステロイドの使用が必要である。
抗NMDA受容体脳炎は若年女性に多い。風邪の前駆症状、精神症状で発症する。卵巣や縦隔の腫瘍+ウイルス感染が原因でステロイドパルス療法、免疫グロブリン大量療法、血漿交換療法がとられる。腫瘍は小さくても外科的に除去する。
エンテロウイルスD68による急性弛緩性麻痺(AFP)では脊髄MRI異常は76%にみられる。咽頭ぬぐい液からのウイルス同定が必要である。

投稿者:KUSUat 23:18 | 日記

日本神経学会地方会 大阪




機能的脳神経外科の現状
札幌医科大学脳神経外科 三國信啓教授
脳腫瘍特に神経膠腫の場合などは摘出範囲について様々な面から考える必要がある。およそ75%取れれば手術の意味があるといわれるが広汎に摘出できればよいのは言うまでもない。しかし、重要な機能の部分は極力避けなければならない。そのためには脳内の機能局在とその神経連絡経路を前もって確認しておきたい。そのために脳のネットワークをtract graphyで三次元的にMRI画像上に表現し摘出範囲を決定し、ナビゲーションシステムと連動させる。摘出しても機能が残るのは小脳が多い。神経膠腫は術直後、機能が低下していても三か月で回復することがある。

投稿者:KUSUat 21:13 | 日記

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