2016年05月01日
薬の話(1)
薬は医療においては極めて重要な役割をはたしている。薬を通じてしか治療の方法がない疾患も多い。
しかし、薬については思い込みや誤解の多いのも事実である。薬の効き目とはどのようなものなのだろうか。偽薬効果(プラセボ効果)を考えると患者の自覚や現場医師の判断だけに頼っては正当な評価は難しい。
医薬品では二重盲検法(患者も医師も本物偽物が分からない設定で行う)で評価し本物が偽物を統計的に上回る効果を示した時に初めて正当性が認められる。
それでもデータの改竄(かいざん)を完全に防ぐことは難しいことがある。
診療中、健康食品と称する薬の可否について尋ねられることがあるが、それらは勿論そのような証明はなされていない。
証明するには大きな資本力と知識がいるがそれらを揃えるのは難しい。法的には個人的な感想としか表示できない理由があるわけです。ただ、買うほうは薬としての効き目を期待して高額な「食品」を購入しのんでいることになります。正確には効くかもしれず効かないかもしれないのです。加えて副作用の調査はされていないので運が悪いと体に害が及ぶことはあり得ます。商品としての健康食品は本当に効果が少なく、副作用も少ないのが優秀な商品であるというパラドックス(逆説)が成り立ちます。
薬物は効果の強いものほど副作用の発現率は高くなる傾向があります。これは当然で少量で強力な薬理作用のある薬剤は量を間違えるととんでもないことになります。薬は服薬量、服薬期間,摂取方法に注意が必要です。
我々が副作用といっているのは、我々が期待している効果以外の薬理作用を指します。たとえばアレルギー反応の薬は眠気を副作用として伴いますが、眠る前にのめば不眠の人にはついでに眠くなります。しかし眠り薬は作用時間も考えて作られていますが、抗アレルギー薬はそのような考慮はないので薬の特徴を把握しておく事が大事です。
最近は調剤薬局で薬を受け取ることが多いと思われますが、薬剤師さんに聞けば効果時間についての説明など詳しい知識を得ることができると思います。
投稿者:KUSUat 20:14| 日記