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2016年06月25日

新型CTの導入(2)


更新するCTスキャナーの選定では当クリニックの診療内容に対応する機能を確認するために時間がかかりました。 日立製作所ヘルスケアの16列マルチスライスCTに決めました。 CTの性能は(a)撮影時間の短さ、(b)画像の精細さ、(c)ノイズの少なさ、(d)X線量の少なさ(e)データを使っての新たな画像表現などで評価されます。 (a)撮影時間は人体の周りを回転するX線源の回転が速いほど短くなります。またX線センサーの幅が広い程速くデーター収集ができます。このためセンサーを何列も並べる方法がとられます。頭部の場合は心臓や胸部と違って動かないので極めて短時間にする必要はありません。今回導入のCTではコンベンショナルスキャンで約20秒で撮ることが可能です。1回転のデーター収集に0.8秒を要します。64列CTでは1/4の5秒で撮像できますが、血管造影をするのでなければそこまで短縮する必要はありません。画質は16列と64では変わりはないのです。ヘリカルスキャンでは更に高速での撮像ができます。 (b)画像の精細さは断層スライスの厚さによります。今回のCTでは0.625mmと1mmを切っています。ただ、このまま画像にしてしまうと膨大な枚数になり、また各スライス間のばらつきも目立ってしまい判読に支障をきたします。現実には5mmの間にあるスライスのデーターを加算して平均化し5mmスライスの画像として表示します。そのほか撮像方法での違いもあります。頭部に関してはこれまではコンベンショナルスキャンでのほうが画質はよい印象があります。 次回は(c)から(e)について考えてみます。

投稿者:KUSUat 12:07| 日記