2017年01月08日
薬の話(8)てんかんの治療
てんかんの治療の基本は薬剤によるコントロールです。1剤を投与し効果を判定していきます。最初は少量より開始しますが十分量までゆっくり増やしていきます。少量で効果を認める場合もあります。少量で効かなくても副作用で服用できなくなる手前まで増量して効果判定しなければなりません。全般発作ではバルプロ酸、部分発作ではカルバムアゼピンなどが推奨されています。発作型によって使用薬剤を選びます。第一選択薬が無効な場合や副作用で使えない時は第二選択薬を考えます。全般発作の欠神発作ではラモトリギン、エトスクシミド、強直間代発作ではラモトリギン、フェノバルビタール、ミオクローヌス発作ではクロナゼパムが推奨される。部分発作ではレベチラセタム、ラモトリギン、ゾニサミド、バルプロ酸がある。薬剤の開始は2回目の発作から考えるべきである。なぜなら65%が5年以内の発作がないからである。治療の中止は成人では決まった目安は存在しないので社会的状況も考慮しながら判断せざるをえない。血中濃度検査は少ない量でもコントロールされる場合があり濃度そのものを目指す必要はない。きちんとした服薬がなされているかをチェックする手段として有用である。多剤併用する場合は作用機序の重ならないものを選ぶことを忘れてはいけない。また代謝酵素や排泄経路の条件で血中濃度が変動することが他薬剤との間で生ずることがあるので確認を怠ってはいけない。
投稿者:KUSUat 19:16| 日記