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2017年03月20日

内科教育講演 血液凝固検査の解釈


血液凝固について金沢大学浅倉英策教授 血管内の血液が普通は凝固しないのは血管内皮細胞に多くの抗血栓性物質が含まれるためである。凝固には内因系と外因系の凝固活性化機序がある。プロトロンビン時間(PT)は外因系を反映し、肝不全、ビタミンK欠乏、ワルファリン内服で延長する。活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)は内因系を反映し、血友病、von Willbrand病、ループスアンチコアグラント等で延長する。出血素因の検査としては先ずPT、APTT、フィブリノゲン、FDP、出血時間である。FDPとDダイマーは静脈性血栓、DICなどの血栓性疾患の診断に使う。抗リン脂質抗体症候群は血栓症や習慣性流産を起こすが抗カルジオリピン抗体、ループスアンチコアグラントを測定する。血小板検査では幼若なものは大きく、古いのは小さい。再生不良性貧血では小さくなる。血小板数は心筋梗塞とは無関係である。血流の速い動脈では血小板の関与が大きく、遅い静脈では凝固因子の関与が大きい。近年出てきたDOAC(direct oral annticoagurants)はワルファリンに効果は勝り副作用の出血は少ない。ただ効果をモニターする方法は確立されていない。

投稿者:KUSUat 20:23| お知らせ