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2017年04月01日

薬の話(11)様々な薬効 1


薬の作用は実に様々です。我々が望んでいる作用は薬効(主作用)といい、その他の作用は副作用といいます。副作用の中には不利益なもの、無害なもの、そして利益になるものがあります。つまり薬の開発や発見の時点では期待や予想されていなかった作用で有用なものも薬効とされることになります。そのような作用を知っておくことで治療の選択肢を拡げることができるのです。通常、健康保険で使うことのできる薬剤の説明書には薬効が記載されていますが、これはデータを集め厚生労働省に申請され認められたものしか記載されていないのです。副作用で記載されているもので使えるものもあります。たとえば眠気の出る薬剤であれば、不眠症の人で夜に使えば睡眠薬を減らしたりすることがあります。副作用は使い方によっても意味が変化します。昔は薬の調合は匙を使い、使い方の調整をさじ加減といいました。匙は使いませんがさじ加減はあるのです。様々な薬効について具体例をあげてみます。抗うつ薬のトラゾドンは眠りを深くする作用があります。一般に抗うつ薬は少量長期で不安感を減らす作用が期待できます。てんかんの薬のクロナゼパム(リボトリール)は顔面痙攣、むずむず脚症候群、本態性振戦に効果があります。本態性振戦には血圧、狭心症の薬のβ-ブロッカー(アルマールなど)が効果します。また少量(メインテート)で心不全に効能があります。てんかんの薬のカルバムアゼピン(テグレトール)は三叉神経痛をコントロールします。次回に続く。

投稿者:KUSUat 23:32| 日記