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2017年04月07日

教育講演 めまいのリハと漢方の選択


めまいのリハと漢方薬の選択 横浜市立みなと赤十字病院 新井基洋先生 めまいの原因は大きく分けて耳からのものと脳からのものがあります。全年齢を通じて圧倒的に多いのは耳性めまいですが、高齢では脳からのものが増えてきます。臨床症状やCTなどで多くは仕分けできますが小脳梗塞は運動麻痺がなく、早期ではCTに異常が出ず見逃さないよう注意が必要です。下部小脳の内側梗塞では定方向性水平眼振のみで他の小脳症状が認められないことがあります。小脳性か内耳性かを見分ける検査で閉眼50歩足踏み試験があります。体軸がまっすぐでコマのような回転は末梢性、軸が倒れるのは中枢性の可能性が大きいといえます。めまいのリハビリも中枢性と耳性にわかれます。片腕を前に伸ばし親指を立て、腕を左右30度の範囲で20回動かし親指を追視することで小脳機能の改善ができます。内耳機能のリハビリは片腕を同様に前に出し今度は親指を注視したまま頭部を左右30度の範囲で動かします。たとえば左回転で注視する眼の動きが遅れると左内耳(前庭)の障害があります。良性発作性頭位めまいは最も多いめまいです。これは内耳にある耳石が一部遊離して半規管に入り刺激することで生じます。これは頭位を変換するいくつかの方法で改善します。慢性加齢性平衡障害は脳機能、下肢筋力低下など複数の原因で生ずるようです。爪先立ちで腓腹筋の筋力を強化し、片足立ち、つぎ足歩行で脳や下肢筋力をきたえます。めまいの薬は種類が少なく最近は新しいものは出ていません。漢方の半夏白ジュツ天麻湯は西洋薬と同じく効果があり特に65歳以上で胃腸虚弱な人によく効きます。苓桂ジュツ甘湯は自律神経性のめまいに効果があります。

投稿者:KUSUat 11:21| 日記