<< 前のエントリトップページ
2017年06月09日

認知症フォーラムin小松


認知症をめぐる最近の動向  神戸大学 古和久朋教授 認知症の原因の85%は変性疾患です。つまり認知症は進行性の病態であることがほとんどと言ってよいわけです。中でもアルツハイマー病が最も多いので重要です。アルツハイマー病の確定診断は病理診断です。脳神経細胞周囲にアミロイド・ベータ(Aβ)が蓄積してできる老人斑、神経線維にリン酸化タウが集積して起こす神経原線維変化、神経細胞の減少が診断根拠です。治療としてこのアミロイドを取り除くことで症状を改善しようとアミロイドに対する抗体をつくり患者に投与されました。しかし効果判定では優位な差は確認できていません。アルツハイマー病はアミロイドが約20年かけて脳に蓄積され発症すると言われますが、極早期(プレクリニカルアルツハイマー病)に予防しないと効果がないのかも知れず研究する必要があります。現在PETによるアミロイド画像化が可能ですが、先ずなんらかの方法で対象をしぼることが必要です。いくつかの検査方法で早期発見の手がかりを確立したいところです。現在行われている治療は神経伝達部位で減少しているアセチルコリンを減らさないように働く薬剤を使う対症療法です。これには3種類ありますがガランタミンは鎮静方向にも働き神経保護作用もあるのではないかといわれております。

投稿者:KUSUat 23:01| 日記