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2017年09月14日

生涯教育講演 内科学会


中枢神経系炎症性脱髄疾患の現代的診療 金沢医科大学神経内科学 松井 真教授 代表的疾患として多発性硬化症(MS)と視神経脊髄炎(NMO)があります。他にも有りますが病態が十分に解明されているのはこの二つです。この二つは再発と寛解を繰り返し病状悪化が進行します。炎症性脱髄疾患の急性期の治療はステロイド大量点滴静注(パルス療法)か血漿浄化療法(PP)、大量免疫グリブリン静注療法(IVIg)のどれか又はその組み合わせになります。特に抗アクアポリン4抗体が深く関与しているNMOではPPの早期導入が推奨される。初発の場合二つの疾患の初発なのか他の単相性発症であったのか分からないので急性期回復後は一定期間経過観察する必要がある。 MRIでは臨床的再発の10倍の再発が検知できるのでT2強調やFLAIR画像でモニタリングする。T1強調でガドリニウム造影すると感度も上がり、また時間的多発性も証明できるのでMSの早期診断に有用である。抗アクアポリン4抗体陽性のものを一括し、その再発予防はステロイド、免疫抑制剤の内服である。MSは細胞性免疫異常に起因するので再発予防は免疫系の応答を修飾する薬剤が使われる。

投稿者:KUSUat 22:35| 日記