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2017年11月19日

脳波セミナー 金沢


脳波の基礎 福井大学医学部神経科精神科 東間正人准教授 脳波は診断、脳機能評価をより正確に行うための手段です。利点は測定が簡便で脳活動を鋭敏に記録できることです。欠点は空間分解能が低いことと疾患の診断的価値が限定されることです。判読は先ず優位律動の分布、周波数、左右差、反応性を見、ついで徐波、速波など非突発性異常の時間性や領域性をみます。それから突発性異常を賦活時、非賦活時にわたって見て総合評価を出します。計測は電位差を見るため電極の位置が重要です。通常は頭皮上で計測しますが、脳表と頭皮上の間に骨・皮膚があるため、脳表と比べ1/10に電位は減衰するため電位を表す振幅情報の重要度は低くなります。周波数は影響されず重要な所見です。どのような組み合わせで計測するかを導出法といいますが代表的なものに耳朶を基準とする単極誘導と双極誘導があります。他にAV法(平均電位基準電極法)SD法(電源導出法)があります。単極誘導はよく使われますが側頭部波形の評価に問題があります。基礎律動のアルファ波は後頭部の視覚野が発生源です。これは双極誘導の前後のつながりををみる導出法でみるとよくわかります。病変と脳波の関係で非突発性異常(徐波)は遠隔病変、近傍病変ともに患側で出現します。また両側で出現する波(正常、異常)は患側で消失減弱します。基礎律動は近傍病変で同側で異常をを呈し、遠隔病変は反映しません。発作間欠期の棘波は診断的有用性が高く重要です。感受性は25%-56%特異性は78%-98%といわれ繰り返し脳波検査を行い検出します。なかでも眠気の脳波は同期性が高まっているため有用です。

投稿者:KUSUat 14:39| 日記