2018年01月04日
南加賀てんかんセミナー
これからのてんかん医療 脳神経外科支援サイト・おんな川 大西 寛明先生 てんかんは人口の約1%にあると言われています。ニューロン(神経細胞)の過剰放電でおきる病態で様々なてんかん発作で特徴づけられます。大きく分けると全般性発作と焦点性(部分)発作に分類されます。てんかん発作を繰り返す慢性の病気で1回以上の発作を起こしているものをいいます。脳波の所見は特に診断において重要です。意識消失の原因になるものがあり、救急外来の意識障害の40%は失神、29%がてんかんです。治療は薬剤が中心ですが全般性か焦点性かで使う薬剤が異なります。単剤でコントロールするのが望ましいのですが難治の場合は作用機序の異なる多剤を使用します。1剤で47%、2剤で60%、3剤で64%がコントロールされますが、この時薬剤間の相互作用で濃度が変化することを意識しておく必要があります。初回発作ですぐに服薬開始はしません。初回後の再発率は5年間で35%だからです。初回でも投薬するのは神経学的異常、脳波の強い異常、てんかん家族歴、高齢者です。高齢者の再発率は66〜90%です。全般性発作は強直間代発作、欠神発作、ミオクロニー発作、脱力発作に分けられます。部分発作は単純部分発作、意識障害のある複雑部分発作に分けられます。診断は初診の際、詳細に聴くことが大切です。最近はスマートフォンで撮られた画像が有用です。脳波は発作後24時間内が異常検出率が高いといえます。何度も脳波をとり、睡眠などの賦活も役に立ちます。問題はてんかん発作の3割に心因性のものがあり知的障がい者、女性に多い傾向があります。閉眼や泣くわめく、後弓反張、左右への首振りがヒントになることがありますが分かりにくいことがあります。発作を繰り返すと神経組織へのダメージとなり特に乳幼児では発育遅延の問題があり早期の手術などの対策が必要です。手術は薬剤コントロールが上手くいかないもので焦点のあるものは切除術、伝導を遮断したいものは切離術を行います。迷走神経を刺激して発作をコントロールする方法も行われます。
投稿者:KUSUat 21:30| 日記