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2018年03月04日

パーキンソン病治療講演会 金沢




パーキンソン病ガイドライン2018 国立精神・神経医療センター病院長 村田美穂先生 パーキンソン病の薬剤治療の基本はL-ドーパの使用です。一時L-ドーパの神経毒性が言われ使用を遅らせたり量を節約することが勧められたこともありました。そのためドーパミンアゴニスト(DA)が過大評価されたこともあります。DAは眠気や精神症状などの点で継続が困難なことが多いようです。ただ運動合併症はDAとの組み合わせで改善をはかることがことができます。すくみ減少には効果は少ないようです。L-ドーパは通常量では神経毒性ははないことが分かってきました。7年間の薬剤服用継続ではL-ドーパの脱落が最も少ないという結果がでました。患者さんは薬剤の増量に抵抗感がありますが、増量に対する理解を得るように説明していくことが重要です。L-ドーパ増量によるジスキネジアは血中濃度の上下が少ない程出現しにくい傾向があります。パーキンソン病の90%は65歳以上で65%は75歳以上です。若年者ではDA使用による衝動制御障害(賭博癖等)のリスクを考慮しておく必要があります。非運動性症状では鬱があります。抗うつ薬(SSRI)、DA、認知行動療法を考慮します。幻覚・妄想では向精神薬(クエチアピン、リスペリドン等)を十分量使って鎮静化の後、減薬していきます。姿勢異常の上半身が折れるタイプは外腹斜筋のリドカイン投与(5日間連続)が奏功することがあります。L-ドーパに組み合わせる薬剤で最も副作用の少ないものではゾニサミドがあります。

投稿者:KUSUat 23:19| 日記