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2018年05月19日

脳神経内科への変更




神経内科の標榜を脳神経内科へ変える日本神経学会の要請の理由は何なのでしょうか。やはり神経という言葉が日本では内科的な意味と精神科的な意味の両方を持っているからだと考えると分かり易いと思います。神経質から派生する不安症や不眠症は重症であれば精神科が診療するのが良いと思います。身体症状を伴えば心療内科で診てもらうことになります。一方、神経内科は脳と脊髄、末梢神経それと筋肉に起きる病気を扱います。頭痛、めまい、ふらつき、麻痺、振るえ、認知症状、言語障害、意識障害、ひきつけ、複視など多彩な症状は何れも神経系の病気で生ずるのです。頭痛だけでも複数の原因があります。それらの原因をしぼり込み内科的治療するのが神経内科です。アルツハイマー病、パーキンソン病、脳梗塞、脳出血、脳塞栓などはめずらしい病気ではありません。脳疾患の比率が多く脳神経外科がそうであるように脳神経内科という方が混乱せず受診できるのではないでしょうか。頭部外傷、脳腫瘍は脳神経外科だけが診る領域ですし、神経変性疾患などは神経内科が診ます。脳梗塞、脳出血、脳塞栓は両方で診ることがあります。専門領域は棲み分け的なものがあるのですが必ず重なる領域を持っています。診療の精度を上げるには実は精神科的素養も必要とされます。全てをカバーすることはできませんが、患者さんが迷わないよう見直し工夫していくことは必要と思います。

投稿者:KUSUat 00:39| お知らせ