<< 前のエントリトップページ
2018年06月21日

学術講演 腎症 糖尿病




腎症の克服を目指した糖尿病治療戦略 旭川医大名誉教授  羽田 勝計先生 2017糖尿病(DM)ガイドライン、2018高齢者DM診療ガイドと治療戦略の指針を出していますが特に腎症について考えてみます。早期腎症を見つけるには微量アルブミン尿を調べます。早期に発見しレニン・アンジオテンシン(RA)阻害剤の使用、収縮期血圧を130以下にコントロールすることで進行を防ぐことができます。顕性アルブミン尿もHbA1cを7以下、血圧を130以下とすることで5年間で半数でタンパク尿の消失をみます。特に血圧のコントロールが重要です。尿中アルブミン定量、eGFR測定で評価していきます。eGFRは腎機能低下の速度を反映します。重症低血糖では認知症のリスクが1.6倍になり、逆に認知症があると重症低血糖の危険が1.5倍になります。インシュリン、SU剤、グリニド薬は重症低血糖をきたしやすい。使用では個別的に対応する必要がある。SU剤は使わない方向にもっていきたい。メトホルミンは若年で効果があり高齢者でも心血管死亡リスクを下げる可能性がある。乳酸アシドーシスは稀でありeGFRでチェックし造影剤の使用は中止する。多剤併用は低血糖、転倒リスクをあげる。高齢者低血糖は自律神経症状を示さず、頭がクルクルするや体がフラフラするなどの訴えのこともある。HbA1c高値は低血糖のリスクでもある。シックデイは減薬、中止を考え水分、炭水化物を取るようにする。血圧は106まで下げると腎に良い。しかし心臓では過剰な降圧は良くない。降圧にはRA阻害剤がよく、腎の輸出細動脈を拡張させる。SGL2阻害剤は腎機能改善作用があるようで、最初GFRは下がるがその後回復してくる。

投稿者:KUSUat 23:12| 日記