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2018年10月09日

脳神経内科 (1)読売新聞2018.10.3

実態に即した「脳神経内科」へ 京都大学 脳神経内科 高橋良輔教授 日本神経学会は昨年、「神経内科」という診療科名を「脳神経内科」に改めることを決め、全国の医療機関に速やかな変更を呼びかけている。たった1文字の違いと思われるかもしれないが、変更を決めた経緯と込めた思いを説明したい。神経内科は、脳卒中や認知症、てんかん、頭痛、パーキンソン病など、脳や神経に関する病気を診る診療科だ。日本で最初の神経内科は、1964年に九州大学で生まれた。国の標榜科として認められたのは75年のことであり、比較的新しい分野と言える。日本神経学会という名前の通り、学問的には「神経学(ニューロロジー)」だ。なので診療科名も「神経科」であるべきだったろう。ところが、我が国には戦前からの長い歴史を持つ日本精神神経学会があるという事情があった。学会内で徐々に神経科の活動が縮小し、現在は精神科の学会になっているが、精神神経という名前は変わらず使われている。そこで、我々は神経内科を名乗ることになったが、神経衰弱という病名があるように、精神的な病気をみる診療科ではとの誤解は拭えないでいた。さらに複雑なのは、心療内科が近年普及してきたことだ。心療内科はストレスから来る体の不調を診る診療科であり、神経内科とは全く別物だが、患者さんにとっては似たような診療科名が増えて余計にややこしいことには違いない。続く




投稿者:KUSUat 16:31| お知らせ