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2018年11月16日

神経学会地方会 富山 (2)




1.自律神経症状発症7年後に多系統萎縮症(MSA)の診断の1例 名古屋大学神経内科 守吉秀行先生 7年前排尿障害、6年前より血圧変動、5年前起立性低血圧 、4年前食後のふらつきが出現、昨年頻回な失神をきたすなど自律神経症状を呈し治療に難渋した。昨年の時点ではパーキンソニズムや小脳症状を認めなかったが本年に入り軽度の体幹失調、測定障害がみとめられた。ドパミントランスポーターシンチで両側線条体での集積低下が確認された。障害は多系統にわたりprobable MSAと診断された。自律神経症状のみで長期間経過するMSAの存在も意識することになる。
2.パーキンソン病の正診率 名古屋市総合リハセンター神経内科 堀本佳彦先生 正診率は病理診断によって確定される。日本剖検病理輯報収載の2010年から2014年までの全剖検例61,199例中臨床診断パーキンソン病369例で321例(87.0%)が診断確定されていた。一般内科内科医の診断例も含まれることを考えると英国運動障害専門医(90%)やフィンランド一般神経内科医(75.3%)と比べ遜色のない結果であった。誤診例は主に進行性核上麻痺、血管障害性パーキンソニズム、多系統萎縮症であった。
 

投稿者:KUSUat 23:33| 日記