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2018年12月09日

認知症と脳波検査




10年以上も前のことになるがNHKの番組でアルツハイマー病と診断されて治療を受けても病状が進行する患者が抗てんかん薬で正常な生活に戻った例を特集していたことがありました。
高齢者のてんかんは小児とは症状がことなります。痙攣発作での発症は少なく行動異常や記憶障害や朦朧状態、意識消失発作が多いように思います。高齢者てんかんは脳血管障害だけでなくアルツハイマー病、レビー小体病からも発症するので混乱します。
認知症を呈する患者がてんかんを起こす頻度は同年齢人口の5〜10倍と言われます。てんかん発作は認知症症状を修飾するのでてんかんの可能性は必ずチェックすることが必要です。私の経験でも認知症で脳波異常が目立つ場合、はっきりした発作がなくても試験的に抗てんかん薬を少量使い症状に落ち着きが出てきた方が数名あります。脳波検査は画像検査と比べて重要視されてきませんでしたが今後は再認識されてくると思われます。

投稿者:KUSUat 21:09| 日記