2018年12月23日
高齢者てんかんを考える会
高齢者てんかんのすべて TMGあさか医療センター 久保田有一先生 高齢化に伴い高齢者のてんかんが注目されている。40代から出現率が上昇する傾向にあり、てんかん全体に占める割合は44%が65歳以上である。80歳の1.2%に存在すると言われています。約半数が原因不明で脳卒中35%、神経変性疾患12%、外傷7%、腫瘍3%といわれる。発作はぼうっとする発作(複雑部分発作)で最近はFIAS (focal impaired awareness seizure 焦点起始無自覚発作)と言われます。認知症と比べて意識の欠落が特徴ですが朦朧状態で発作を覚えていないため間違われることがあります。発作の出現が低頻度のため診断に窮することがあります。高齢者の脳波の特徴は基礎律動が減少し振幅も低下します。徐波が増え刺激に対する反応性は減弱します。睡眠脳波が不明瞭になり、また薬剤の影響を考慮する必要があります。更に正常でもバリエーションが多くなります。異常所見では棘波は出にくく全般徐波(17%)焦点性徐波(15%)を示します。部位では42%が側頭部です。てんかん発作は高血圧、糖尿病、認知症の方で比率が一般より高くなっています。9割の方は前兆やけいれんを伴いません。自動症が8割にあります。治療で9割の方が発作消失します。治療の原則は低用量から開始し再発が率が高いので継続することが重要です。レベチラセタム(イライラに注意)、ラモトルギン(薬疹に注意)、ラコサミド(感情安定)を事情に応じて使用します。継続率はラコサミドが高くなっています。
大脳辺縁系の老化が関与しているといわれアミロイドβ、タウ蛋白の蓄積についても研究の余地があります。
投稿者:KUSUat 16:04| 日記