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2019年01月21日

教育講演 糖尿病治療




GCM(24時間血糖変動測定)からみた糖尿病治療 
慈恵医大内科学 森豊教授 
健常者では血糖変動は0に近いのですが糖尿病患者では食事による血糖上昇や服薬による低下など血糖変動は治療評価の上でも重要です。血糖変動値の平均をMAGEといいます。薬による特徴を述べるとα-GI(ベイスン、セイブル)は食後高血糖を下げMAGEは改善されますがHbA1cには反映しにくいと言えます。SU剤(アマリール等)は1回の投与で1日効果があり平均の血糖値は下げるのでHbA1cに反映されやすいのですが夜間低血糖に入り易くMAGEは改善しません。TZ薬(アクトス)はインシュリン抵抗性の改善を図ることができ、空腹時高血糖に良いが食後高血糖は変わらない。また夜間に下がる傾向がある。ビグアナイド(メトホルミン)は食前服用で食後血糖を押さえ、用量依存で血糖は低下します。ただし、500mg/日ぐらいの使用では他剤との併用が効果的ですが1500mg/日では単独で日内変動をコントロールできます。DPP-4阻害薬(トラゼンタ)は食直後血糖をを下げ、これは血糖の高い時だけ下げるので低血糖は起きにくく変動値は小さくなります。SGLT2阻害薬は一日血糖を全体に平均して下げるので変動幅はあまり変わりません。現在、最初によく使われているのはDPP-4阻害薬でこれとメトホルミンの併用は合理的です。HbA1cを下げるにはSGLT2阻害薬の併用もよく、食後高値を改善し変動幅を抑えるにはα-GIとの併用も良いと思われます。メトホルミンは血中の半減期は短いのですが薬効は長く1日1回の投与で効果を得ることができます。脳に働き、脳から肝の糖新生を抑制する作用もあるといわれます。CGMは日常診療で難しいのですが、朝食後血糖を測定することでMAGEを推測することができます。HbA1cが低い場合は朝食後1.5時間、高い場合は2時間の血糖が参考になります。

投稿者:KUSUat 23:42| 日記